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W氏.「ギター屋なのになぜか車のパーツが転がっていたりしていますよね。」
私.「すいません、車のパーツはいつも家に居ないのでショップのほうで受け取っているだけで……だって待ちに待ったワークスのパーツがヨーロッパから着いて、通
関したと聞けば早く見たいじゃないですか。私も色々道楽を持っていますがさすがにWさんの日本刀の趣味は私の守備範囲外ですからね。」
W氏.「今日、持つてくればよかつたなー。ハハハハ。」
私.「やめてください。車のパーツならまだしも、おやじが寄って集って日本刀を楽器屋で抜いてたらかなり危なそうーですから。」
W氏.「お客さん入ってこないでしょうねー。ハハハハ。」
この後、KにN氏も参加して刃物の話しで盛り上がること盛り上がること。
(この部分は割愛します。)
N氏.「阿佐ヶ谷の、しんかい刃物店は安くて良い物が揃っているよ。」
W氏、K氏「そうですね。」
私.「盛り上がっていますがそろそろギターの話しを。」
3氏.「ガハハハハ、そうそうギターの話しで盛り上がらないと。」
私.「今日はプライベ−トのギターを1本持ってきたんですが、これです。'56年のLes
Paul TV Jr.です。」
N氏に渡すと早速チューニングをしながら「このJr.程度が凄く良いね、大切に使われてきたんだろうね。」
W氏.「生音大きいですね。」
私.「静かな自宅で弾いているとかなりの音量です。もちろんアンプ繋いでも抜群になりますよ。」「オールドギター独特のエネルギー感のあるサウンドです。」
K氏も手に取って弾き始め「弾きやすいギターですね。このパワー感はオールドギター独特のものですね。」「あとこの鳴りにはアルミのバーブリッジ貢献していますね。」
私.「Kさんは、バーブリッジが好きですものね。」「確かに、チューンオーマチックより鳴りますからね。それから何と言ってもオールドのテールピースはアルミですからサスティーンとか凄く長い。ピックアップより重要と言い続けてきましたがゴトーのパーツが最近手に入り易くなったこともあってユーザーの方々に段々浸透してきています。ギブソン自身が70年代にアルミ製のテールピースを止めてしまいましたが、50年代に考えられたパーツは材質も含めて意味があってそうなっていますからそれを違う材質にしてはだめです。」
K氏.「アルミってメッキの乗りが悪いんですよね。」
私.「そうですね。歩留りが悪い。つまりコストが掛かる。その辺が、アルミを止めた理由だと思います。」
K氏.「50年代のものを見て凄いな−と思うのはキャビティーなどの木部加工ですよね。当然NCルータ−なんて無かった時代ですが実に正確にタイトに彫られていますよね。それにワイヤリングもタイトだしハンダも綺麗で、まあ本当は全てこうでなくてはいけないのだけれど。」
私.「この頃のものは本当にしっかり作られていますよ。リペアで開けるとハンダとかまさにこうでなくてはならない見本のようですよ。もちろんそれは全ての部分でいえますし、他のギター、メーカーにもいえますねこの時代までがアメリカが最も物を作るのが良かった時代ですからね。セレクタ−とかいったギターメーカーが他社から仕入れて使うパーツも実にしっかりしています。私の持っている50'sのギターは殆どのエレクトリックパーツは当時のままで壊れていませんし、チューナーも皆オリジナルのままで使用していて問題はないですし、私が所有してから十数年経ったものも在りますが、ネックなどは1度手を入れたか入れないかですから。まあ、当時のギターの価格を今の価格に換算するとかなり高額ものですから、当然、良く作ることが可能だったという面
もありますが。」
K氏.「後で私の持って来た'55のLea Paulを出しますね。」「先にこれ弾いてみたいので。」とK氏が、当店の在庫から'74のStratを出して来て弾きはじめる「このレイク(レイクプラシッドブルー)良いでしょう。綺麗だし70'Sのレイクは数が少ないし確かこの前の年がラストイヤーでしょう。」
N氏.「ほらまた欲しくなって買っちゃうんでしょう。好きなんだから。」
私.「売約にするそうです。でも私を含めてここに居る人は、人の事は言えない人ばかりですから。」
W氏.「ハハハハ、確かにそうですね。」「ところで、Kさんこの辺の年代のも好きなんですね。」
K氏.「私は、何であれ良いと思えば良いのです。。」「好きなギターの範囲が広いんですよ。音に関してもそうです。だからオーディオも変なこだわりは無いですから。」「誤解されると困るんだけどギターの音でいくとクリーンなら徹底的にクリーンな音が良いし歪みは鳴きまくる位
歪んでいる方が好きなんです。大蔵さんは、クランチな音が大好きで目茶歪み嫌いでしょう。」「だけど、事、ギターの話になると好きなものが、一緒なことが多いのがおかしいですよね。」
私.「Nさんの音の好みはやはりシカゴブル-ス系ですか?」
N氏.「うん、まあ白っぽいブル-スが好きだよ。オ-ルマンブラザ-ズからB.Bキング、バディガイ、でも、もっと真っ黒いどブル-スも好きだし、歌は、やっぱりシャウトしてしまうしまあ何でもありだねガハハハハハハハハ。」
K氏. ストラトを弾きながら。「70年代前半のストラトの悪い意味ではなく、この軽めの音も凄く好きなんです。それにレイク ブラシッド ブル-って本当に好きな色なんですよ。フェンダ-のカラ-物の中では一番好き。」
私.「いつもの話になりますがフェンダ-の色や商品のネ-ミングってとっても良いですよね。そうそう、うちのバイトの女の子がキャンディ- アップル レッドって聞いてなんか凄く甘くて美味しそうな菓子を想像したそうで、『それってどんなお菓子です?』って聞かれたことがありましたよ。」
K氏.「ハハハハ、確かにフェンダ-やデュポンのネ-ミングはお洒落ですよね。」
私.「そうだ、Nさん今日は何を持って来てくれたんですか。」
N氏、'76ストラトをケ-スから出す。 「初めて買った新品のギタ-なの、23年間愛用してるギタ-。」
K氏、N氏のギタ-を手にし、「あっ軽い。それに弾き込んでいるから良く鳴るなー。」(N氏は、週に平均2回はライブをやっている方。)N氏.「ガハハハハハハ、私、軟弱だから重いギタ-だめなんですよ。ガハハハ。」「これ初めのうち全然駄
目でさ、最近やっと使えるようになったね。」
K氏、弾きながら、「テンションありますね。」
N氏.「そう始めやっこかったから、ストリングスガイドとかいじってあるの。」
K氏.「それにこの指板、ポリの指板がここまで黒ずんでいるのが凄い。」
W氏.「アハハハ、しかし本当に良く使い込んでありますよね。新品からですからね。」
私.「ギターもここまで使ってもらえば本望ですよ。」
N氏.「まあライブの時は色々なギターを使うけどこれはかならず持っていくからね。」「最近は、このギター本当に良くなったから最早無敵ガハハハハハハ。」
K氏.「でも本当にこのギター嫌な傷み方じゃ無くて使い込んだなーっていう所が凄く良い。」
N氏、当店にあるブギーのMKIIに繋いでトーン、ボリュームのセッティングをしながら「このセッティングが良いんだ。」と言ってストラトを弾き捲る。
私.「ちゃんと弦の音がしている。」
W氏.「そうですね。」「そう言えばNさんもMKII持っていましたよね。」
N氏.「そうそう4年くらい前にアルテック付きをここで買ったの。もう全開で使っているよ。色々アンプも持っているけどMKIIとはヒストリックのレスポールとの組み合わせが最高だね。もう無敵ガハハハハハハハ。」「まあ、使いやすくて、良けりゃ何だって良いんだけどガハハハハハハハ。」「エレキギターの場合はアンプとセットで一つの楽器だからね。」
W氏.「ヒストリックは'59?」
N氏.「'59と'57。それぞれにキャラクターがあってどっちも使えるよ。'57の方が少しブライトな感じだね。両方ともMKの組み合わせが気に入っているね。」
W氏.「ヒストリックは良いですよね。この前、私もここにあった3本の中から一番鳴りが気に入った'58を買ってしまったんです。」
K氏.「あれ良かったですよね。トラも上品だったし50'sぽかった。」
W氏.「そう言えばKさんヒストリック何本持っているんでしたっけ。」
K氏.「5本。」
W氏.「アハハハハそんなに。」
N氏.「もうマニアなんだから。ガハハハハハハハハハハハハ。」
私.「人の事は皆さん言えません。」
W氏.「50's以外のスタンダードで選ぼうとするとかなり選択肢が狭くなりますから。ここにあった'68のスタンダードとヒストリックとどちらにするか悩んだんですが'68の方が売れてしまったのと、本物のサンバーストは絶対買えないですからまあサンバーストも欲しいと言う事で'58のヒストリックにしたんですが良く鳴ってます。」
私.「あれ、個人的に欲しかったんですよ、実は。」
W氏.「じゃあ私が取っちゃったんですね。」
N氏.「Kさん真打ち登場で'55のレスポール出そうよ。」
K氏ケースからギターを出しながら「これ持ってる中で一番好きなギターなんですよ。本当は門外不出なんです。もう宝物なんですから。」
N氏.「あっ凄いねー! 出たねー!!」W氏.「凄く綺麗ですね!! はーあ。」「塗装のチェッキング全然無いしちょっと見にはヒストリックかと思ってしまいますね。」「欲しいなあ。」
N氏.「'55だよね、ちょっと弾かしてよ。」
私.「私にも少し弾かせて。」
W氏手にとって「こんなに綺麗なの見たことがないですよ。」
N氏手にとって「オー綺麗だね何時頃手に入れたんですか。」
N氏.「15年程前です。」
私.「本来、ギターて大事に使うものですからアメリカの市場でそれなりの価格のものは、みんな綺麗なんですが、日本市場にあるものは結構汚いものが多いですから。」
N氏.早速弾きながら「良いねーこのがっちりした音。」
W氏.「太い音ですね。」
私.「私の持ってきたJr.との差がけっこうあるでしょう。Jr.にはJr.の世界があるんですが、音の厚みがかなり違うでしょう。」
N氏.「音も太いけど立ち上がりも抜群だね。凄く良いね。」
私.「良いスタンダードとMKIIの相性は本当に良いなー。」
N氏.「うーん良い。ニュアンスが良く分かる。」
私.「弦の音がしているんです。」「クリーンでも、どんなに歪ませてもギターがリアに反応するのでプレーヤーのプレイが伝わってくるんですよ。」「名器と言われるだけのことがあります。結構簡単なようだけどこういうサウンドのギターってなかなか無いでしょう。」
W氏.「そうですね。」
N氏.「私のGold Topのほうが少しトレブリーだな。しかし、これだけ綺麗でこんなに良い音でウーン。」
私.「Kさんギターの管理が良いですしね。」 N氏、W氏、私、一同感動。
K氏自ら弾き始める。
私.「でもヒストリックはこれにかなり近いでしょ。」
K氏.「近い。」「あれは良くできてます。」
再びN氏、K氏のLes Paulを再び弾き始めて、「ウーこれ良いなー、それに低音も良く出るし。俺の好きな音だなーガハハハハ。」
K氏.「皆バーブリッジ嫌うけどこれの方が音のサスティーンもネバリも絶対良いですよ。」
N氏弾き捲りながら、「ウーン確かに良い、しかしハイポジションの2、3弦がチューニング厳しいなー。まあそれは弾き方でカバーだガハハハ。」「でもこのギターが一本あればライブは本当に楽だね。」
K氏.「倍音成分も良く出てるし。それにハムバッカーよりレンジがP-90の方が広いですしね。」
私.「私もP-90党です。」
N氏.「まあーギターは良いよ。きちっと使えば一生使えるからね。」
W氏.「良い道具はみんなそうですよ。」
この後も盛り上がったのですが、今回は、この辺で終わりにします。この後、W氏がK氏の自宅に行き夜中まで延長戦で盛り上がったそうです。K、N、W、御3氏ご協力ありがとうございました。
第一回の「おやじの館」でした。それまでもずーと8年間ピックアップを変えるよりまずはアルミのテールピースと言い続けていたのですがこれを機会に結構広まり、多くの人に
こんなに良くなるのと喜んでいただきました。最近では、色々なメーカーのものも出回り
更にはギブソン自身もアルミにする予定と聞き喜んでいます。
1998年4月
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