おやじの館アーカイブス
Vol.12 2000年4月 おやじの家庭訪問 K氏宅
参加者は、お客さんのK氏、N氏、と私大蔵です。

K氏.「遅かったですねー。」

私.「平日、都内を抜けて来るのは大変なんですから。本当は、電車で来たかったのですが、どうしても車で寄らなければいけない仕事があったんで。」「Kさんお腹空いた。」

K氏.「Nさんが来たら食事にしましょう。」

私.「腹減ったー!!」

K氏.「子供じゃ無いんだから。」

私.「僕子供。」

K氏.「・・・・・・・・」 そうこうするうちにN氏が来られて。

N氏.「いやー、何時来てもKさんの家は豪邸だねー。」

私.「食事にしましょう。」      
                                 
                                     食事中 (静か。)

私.「ごちそうさまでした。今度は、うなぎね。」

K氏.「・・・・・・・」

N氏「ガハハハハハハ。」

私.「ところで、Kさんギターのシールドケーブルに使うととても良いモガミ電線のマイクケーブルがあるんですって。」

K氏ケーブルのストックが入った箱を出してくる。

N氏.「沢山あるねー。マニアだなー。」

私.「Nさん、人のことは言えない言えない。」

K氏.「これです。凄く良いですよ、しかも安い。」

私.「2芯の周りにシールドっていう構造ですね。」「このての構造ケーブルって、音が良いものが多いですよね。」

K氏.「単芯で静電容量を下げろと一般には言いますが、私は2芯で+−同条件に導通 させる方が良いと思います、音像も音圧も上です。」

私.「ケーブルだけは、
高いから良いってものではないですからね。」「高いのに音の悪いの多いですから。」 「私が、とても気に入っているギター用シールドケーブルの1つは、秋葉で売っている100円か200円の平線にシールドを巻いて自分で作ったものですから。」

K氏.「太めの平線て、何に使っても結構良い音しますからね。」

私.「変にHi-hiしていなくて、音楽している。」

K氏.「確かに、このモガミ電線の物もそうです。後、見た目や手触りである程度ケーブルの音って分かりますよ。」

私.「あるある。硬いケーブルは硬い音しますし、やたら太いケーブルはもこもこした音になりますしね。」

K別のケーブルを出す。

N氏.「それは何。」

K氏.「これは、前に大蔵さんの店で売っていたドイツ製のケーブルです。」「凄く自然な感じで癖が無くて。」

私.「長く引き回す人には、とっても好評でした。」「もうあまり在庫無いので、広告はしてませんけど。」「Kさん後で地下のスタジオに行った時に弾き比べてみましょう。」

K氏また別のケーブルを出して「これ、オーディオ用なんですけど凄く良い音がするサイトー電線のケーブル。ただ普通 には手に入りにくいです。」

N氏.「Kさんは、音響が仕事だから色々なケーブルに出会う機会が多いから羨ましいね。」

ケーブルの話でこの後も盛り上がりました。

N氏.「ところでKさんって、今、ギター何本持っているの。」

K氏.「90本程あります。」

N氏.「げーそんなに在るの。マニアだ。」

私.「だから、Nさん人の事は言えない言えない。」

N氏.「この巨大なケースの中身は何。」

K氏中からギターを出して「これです。81年製のマイケル・スティーブンスのダブルネックです。」

N氏.「これは何。」

K氏.「これは、大蔵さんの店で買った'59のヒストリック。」

N氏.「これは、俺が狙ってたやつだ。」 「良いなと思っていて、次に、ケン・ギターズに行ったら『あれはKさんが買って行ったよ。』と言われたやつだ。」

私.「この可愛いミニギター2本は?」

K氏.「こっちは、ある楽器屋さんからマル秘で……確か非売品だったような……ハハハ。」

私.「こっちのハードケースは、どうしたんです?」

K氏.「自分で作ったの。さすがに今では作るエネルギーは無いですが、若かったもので。」「珍しいもの見せましょうか。これは、70年代のフェンダーハムバッカーの箱入り新品。」「 この、テレキャスターのフロントに付ける為の形紙が付いてるところが良いでしょ。」「これは、当時の弦。」

N氏.「何でもとってあるんだねー。」

私.「地下のスタジオに行って音出しましょう。」

K氏.「そうしましょうか。」 地下まで降りる階段、地下の廊下にもギターがいっぱいあって、また、どのギターも良く手入れされていて凄いなーと思ってしまいます。

N氏.「また、このスタジオの中がギターでいっぱいなんだから。」

私.「このスインガー良いなー、下さい。」

K氏.「あげません!!」

私.「Nさん、スインガーって凄く良いよ。音太くて切れも良いし。」

N氏.「俺は、こういうの苦手じゃー。」

私.「また、思い込みが激しいんだから。弾いてみなければ分からないじゃ無いの。」

スインガーを弾き始めるN氏。 N氏.「ほんとだ。これは使える音だ。」

K氏.「シールドの違い試してみます?」「これは、大変良いとされている相当高い○○○○○。」

N氏.「これ知ってるよ。」 さっそく試奏するN氏。「これあまり良く無いね。」次にモガミ電線のシールドを試す。「これ良いねー。」

K氏.「音圧も有るし、高級な音するでしょう。」
私.「これは良いですね。音に厚みが出るし、それでいて、もこもこしてないし、リバーブ感もあるし、何でも良くするタイプですね。」

K氏.「それでいて安いんだから……もう。」

私.「秋葉系のケーブルは、結構安くて当たりなの多いですが、楽器屋系のは高いばかりで駄 目なの多いですからね。」

K氏.「大蔵さんの店で売っていたケーブルを試します?」Nさん早速試す。

N氏.「モガミの方が好きだなー。」

私.「意外だなー。これの方がレンジが広くて、ハイが延びてるから好みかと思ったんですが、N
さんの好み、分かってたようで分かっていなかったな私。」

K氏.「大蔵さんの所で扱いませんか、モガミ電線のケーブル。」

私.「このドイツ製のケーブルも、なぜ、積極的にセールスしないかというと『プラグ付けて』と言われるんです。」

K氏.「一日中、プラグを付ける羽目になるんですね。」

私.「そうです。」 「他に何も出来なくなってしまいますから。」「ところでKさんこれだけある中でどれが一番好きなギタ−なんですか。」

K氏.「それぞれ、とても気に入っていますからね。」「まず、音で一番気に入っているというとこの'56年製のLes Paul Specialです。」 「極太のサウンドだし、鳴りっぷりがとても良い。」

私. 「私もとても好きですけが、Kさんは、P-90とバーブリッジが、ほんと好きですものね。」

K氏.「バーブリッジだとオクターブが合わないなんて言う人がいますが、50'sのものに関してはそんな事はまったくないですし、何と言ってもこの鳴りがたまらない。」

私.「Teleの3ウェイのブリッジもよく合わない言いますけどそんな事はやはりない。」

K氏.「50'Sのものは、とにかく良く出来ていますよ。」

私.「ネックの差が大きいんですよ 。微妙なテンションの変化でも動いてしまう様なネックだとどんなブリッジを付けても駄 目ですから。」

K氏.「ネックの差は大きいですよ。」「50'Sのネックは、GibsonでもFenderでもそのタッチから、剛性感から、まったく違いますからね。」

私.「確かにそうです。」「Kさんがいつも言っていますが、人間の手の感覚ってとても凄い。測定しても分からない様な差を感じ取れますから。」

K氏.「そうですね。」

私.「話しは変わりますが、何時見てもこの'61年製のStrat凄く綺麗ですね。」「新品同様ですね。」

K氏.「これだって( '54年製のLes Paul STDを指して )一瞬ヒストリクかと思ってしまうほどだね。」

私.「アメリカのマーケットで、それなりのプライスのものはみんな綺麗ですからね。」 「大体アメリカ人は、物を大切にしますし、オールドギタ−を所有する様な人はしっかりそれを管理できる環境にいる人でから。」 「私が、仕事で取り引きすることが多い、中西部のビンテージギタ−ショップから、時々ワンオーナーのオールドギタ−のオファーがあります。」 「つまり、50年代に買ったギタ−を今まで一人の人が所有していたというものです。」「そういう場合もあるくらいですから。」

K氏.「 チッエキングないとオリジナルじゃない、なんてバカなことを言っている人がいますが、そんな事はないですからね。」 「だからなんだろうけど、日本のマーケットには、訳の分からないオールドと称するギタ−が多い。」

N氏.「知らないからだろうね。」

K氏.「興味があるものなら研究するものだけどなー。」「第一、弾けば分かるし。」

N氏.「ガハハハハハ 確かに。」

私.「私も、好きなものは徹底的に研究しないと気がすまない方なので、まあ、ついには、道楽が講じて、ギタ−屋まで始めてしまったんですが、10年間やってみて、自分がそうだから皆さんそうなのかと思ったら案外そうではない方が多いのには驚きましたね。」「何回かそんなことがあったのですが、ある時、凄く良いコンディション60年製のストラトが入荷した時。」

K氏.「そのギタ−知っています。」

私.「自分のギタ−にしてしまおうかと悩んでいる時。」

N氏.「またー、ずるいなー、良いギタ−みんな持って帰っちゃうんだからー。」

私.「そんな事は無いですよー。そのギタ−は、KN氏が買われたんですが、まあ、そのギタ−が、入荷した時、店に来た人が、さも通 風に『これはおーばーすぷれいだな−。』と言っていったのには、吉本新喜劇の様にずっこけましたね。」

K氏.「ははははは。疲れますね。」

私.「ネガティブな話しは、つまらないのでやめましょう。」「でも、KさんやNさんの様なおもしろい人達、良い意味でですよ、大勢の方と知り合えたのでとても良かった。」

N氏.「所でこのコンデンサーの山は何、溜め込んでるな−。も−マニアなんだから。」

私.「また、綺麗に整頓されていてKさんらしい。ほんと、Kさんて几帳面 だなー。」

N氏.「真空管もいっぱい在るな−。」

K氏.「Nさん程ではないですが、やはり確保しとおかなと困るものが多くなって来ましたから。」

私. 「確かに、秋葉に行けば幾らでも在ると思っていた球が全然無くなってしまったり、とんでもない値段なってしまっていたりしてますから。」「私、どうも最近、10年前あたりから去年までの
記憶がごっちゃになっていて、在るはずと思って行ったら店ごと無くなっていたりして、ちょっと浦島太郎化し始めていて困るんです。」

K氏.「私は、そんな事は在りません。」「飲み過ぎじゃないですか。」

N氏.「ガハハハハハハ。気を付けた方が良いかも知れない。」

私.「二人ともひどいなー。」

K氏.「秋葉は、最近ほんと様子が変わりましたね。」「フィギュアやアニメ、ゲーム、AV系のショップまで出来て。」

私.「そう、あのケーブルの皮膜の匂いとか、色々なパーツの匂いが混じった秋葉の正しい匂いや、それを漁る、正しい、おたくが減ってしまいましたね。」

N氏.「そんなの、人が見ればどちらも同じだよ。ガハハハハハハ 。」

K氏.「違いますよ。絶対に。」

私.「違う、違う。」

N氏.「同じだって。ガハハハ。」「対象が違うだけさ。」

私が、'59年製のES-335TDを持ってスタジオを出ようとすると。

K氏.「こらこら、おやじ何してるの。」

私.「いや、そろそろ遅いので、帰ろうかな−と思って。」 「家、遠いし。」
K氏.「だから、その手に持っているもの何。」

私.「おみや。、お土産にくれますよね。」

K氏.「元の場所に、戻しておいて下さいね。」

私.「沢山在るから気が付かないと思ったんだけどなー。」

N氏.「ガハハハ、そりゃ気が付くよ。」

何時来ても全てのギタ−に愛情が注がれていて、とても良く手入れされているK氏宅訪問でした。氏はギタ−プレイもかなりの腕ですが、ベースもかなりのスキルの持ち主です。

2000年4月
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