おやじの館アーカイブス
Vol.7 1999年3月
参加者は、お客さんのK氏、N氏、W氏と私大蔵です。

私.「リアは、ワンウェイのボールデフにしてあります。」「トウはフロントを少しアウトに。」

W氏.「それであんなに回頭性が良いのですね。」

N氏.「これ滅茶苦茶早いよね。オレの全然遅いからな。」

W氏.「エンジンカーよりEPカーの方が、立ち上がりも早いしレースやっても1/10だったら負けるかも知れませんね。」

私.「春になったら野外で一回勝負しましょう。」

N氏.「実は今エンジンカーが欲しいんだ。」

W氏.「私、持っていますからエンジンカーでやりますか。」

私.「やめましょう。私、Wさんから頂いたのが1台ありますが、あれまで凝り出したら完全に破産です。」「私、大体、今、本物の車のパーツで大変な状態なんですから。」

W氏.「ハハハハ、またワークスのパーツを買うんで、海外送金ですね。」

N氏.「もーしようがないんだから。凝り性っていうか、とことんやらないと気が済まないんだから。」

K氏ギターを弾きながら「始めっから脱線しっぱなしです。そろそろギターの話をしましょう。」

N氏.「ガハハハハハ。そうそう、一応ギターの話で集まっているんだから。」

K氏ギターを弾きながら。「この前から、例のP.A.Fに凄く近いサウンドのPUをテストをする為に、'59ヒストリックに付けたんですがこれ凄いですよ。」

N氏.「あれね。オレの預かった'57に付いているのは、フロントが良かった色気があって。それに、使いやすかったよ。」「ギター自体の持っている比較的トレブリーなところも素直に出てるしね。」

K氏.「とにかくリニアですよ、このPU。」

N氏.「Kさんのギターも弾かせてよ。」

N氏、K氏のテストPUをマウントしたギターをしばらく弾いて。「これは、バランスが良い。」

K氏.「持っている中でこの'59は、4年程ほとんどケースに入ったままだったんですよ。」「だから鳴りも寝ていたんです。ところが、このPUを付けて、大音量 で弾き始めたら驚く程鳴るようになって驚いてしまったんですよ。」「音質で行くとハイが、綺麗に出ていて倍音成分が多い。低い方も音が濁らない。アタックもとても太いです。」「普通 は、 なかなかこうはいかない。」

今度は、K氏が弾き出し、それを聴きながらN氏.「ウーン。」「色気があるし、非常にリアとフロントのバランスが良い。」「フロントは、大体いけてもリアにすると極端にバランスをくずすのがあるからね。」

私.「色々と良くできたリプレイスメント用PUがありますが、どうしてもP.A.Fに比べると新しいという事もあってちょっと1本調子なところがあ るんですよ。ギターも含めてその辺がオールドに及ばないところなんですが、何とかそうでないものをよりP.A.FらしいPUを作ろうということでやったんですよ。」


K氏.「ひょんな事から始まって お互いFAXと電話の山でしたけどね。」

私.「そうです、Kさんと盛り上がったある事で始まったんです。」「それはそれとして、どうしても長くギターに関わっていると慢心というか、色々良いリプレイスメント用ピックアップがあるんだからそれで良いじゃないかって何にも考えなくなるところがあって。」「せっかく色々な経験や知識があるのに何にもしないというのもと思いまして。」

K氏.「大蔵さんは、新しいギターは買わないから、ほとんどオールドで、何にもする必要がなかったということもあるでしょうからね。」

私.「そうですね。オールド以外のギタ−はほとんど持っていませんから。」「それはともかくと、今回、よりオールドのサウンドに近いピックアップを作ろとした時、P.A.Fと同じ構造材質で作っるとして、さらにそこから先に何があるかを考えたんです。」「よく古いPUは退磁しているからそういう音がするとか言いますけど、もちろんそういう要素も0ではありませんが、、それより長年の使用で持つようになった固有の振動モードが大きな要素だということです。」「大体、磁力が1割りも落ちていたらまともな音は出ませんからね。」

K氏.「私も常々言ってるんですが、レゾナンスが全てに於いて最大の要因ですから。」

N氏.「楽器はみんなそうだよ。」

私.「そこで、幾つか手持ちP.A.Fを観察して、作られた時から構造物としてどういう経年変化が起きているのかを徹底的に検証してみる事から始めたんですよ。」

K氏、ギターを弾きながら「とにかくこのPUは成功したと思いますよ。」「これ程P.A.Fに近いPUは無い、新しいギターに付けてこれだけ変わると恐ろしいくらいですよ。」「ほら、このグワングワン来るところなんかとても似ている。」「家にあるP.A.Fが付いているオールドギターと比べても遜色ない音です。」「この倍音の乗りなんかも凄く良いでしょ。」

N氏.「このPU凄く反応が良いよ。」「ギター本体の鳴りも凄く良い。」「ギターはそれぞれの鳴りを持っているから、それぞれの鳴り以上のものはどんなPUを付けても変えようがないからね。」「良いPUを付ければもろそのギターのキャラクターが出るからね。」


K氏.「とにかく、このPU、レスポンスがとても良いからギターの音にリニアに反応する。」「それと前に言ったようにガンガン弾いていけばギターの鳴りまで凄く良くなって来る。」「ギターのレゾナンスにPUが自然に合っていて、相乗効果 でどんどん鳴る様になる。」「予想以上で、驚いて大蔵さんに電話でその話しても、もう一度このギターを持ってくるまで信じていなかった。」

私.「確かにそういう経験はしますが、そんなに短期間に良く鳴る様になるとは思えなかったからです。」

K氏.「電話で『イヤーKさん、そんなに早くは大きくは変わらないでしょ。』なんて言っていて、ギターを持ってきて弾かせたらずっこけてた。顔色が変わった。」「ギターのキャラクターや鳴りがPUで変わる、こともあるんですよ。」「もちろん、ある程度のクオリティーがギターにあっての話ですが。」

私.「そうですね。オールドの音があれだけ良いというのは、弾き込みによってそのギターのベストのところにレゾナンスがあるわけですから。」「PUも当然そのマウントされているギターのレゾナンスに合っているからああいう鳴り方をするんですから。PU単体の出力は大きくなくたって大きな音がする。」「だから逆に、オールドPUを元に付いていたギターから外して別 のギターに付けるとレゾナンスが合わなくてしょぼくなるというのは良くある話です。」「だから、オールドのピックアップを今のギタ−に付けても意味は無い。」

K氏.「オールドであればPUがそのギターのレゾナンスに凄く合っているわけですからそうなる。」「私このギターで経験したことは、このPUがとてもリニアだからそういう傾向に早くなると言う事だと思いますね。」

N氏.「確かにそうだね。」「まあもとのキャラクターは、そのまま残るけれどね。」「Kさんのギターのキャラクターが、このPUでそのまま良い方にいっているんですよ。」「サスティーン凄くあるし、これだけ良いと歪み系のエフェクターとかは要らないものね。十分だよね。これに良いアンプとか使わないでエフェクターで変に歪ませたら妙にコンプレションが掛かったみたいでせっかくのアタックとかが台無しになってしまうからね。」

K氏.「反応の良いPUを使えば、電気的出力が大きいとかいうことではなくて、エネルギーをアンプに送れるでしょう。結果 的に大出力と同じですから。」「上も下もしっかり出ていないとどうするにも、どうし
ようもない。」「ドライブも効かない。」

永山氏.「そうなんだよね、美味しいところがないヤツは何しても駄目なんだからね。」「トータルの音量 は、アン
プで上げれば良い事だから。ただ、オレの場合なんかライブやるのに何時もベストの環境でやるわけじゃないから、しょぼいアンプとかしかないなんて時は電気的に大出力PUを付けたギターも必要なんだよ。」「そういうのを全開でアンプに突っ込んでやることで自分のプレーが何とかやれるというところもあるんだよね。」「P.Aとかしっかり拾ってくれる所なら良いんだけれどね。」

K氏.「わかります。」

私.「まあNさんは、何処でやっても、Nさんだから大丈夫です。」

N氏.「ガハハハハハ、そう!」

K氏.「ところで、これだけの出来なんだから世に出そうということで、発売するんですよね。」

私. 「これだけ良いできですから世に広めたいじゃないですか。」「それに、Kさんが、凄く良いから発売しよう、しようと言ってくれましたしね。」

K氏.「絶対、物凄く売れますよ。」

私.「いや、そんなに売れないと思いますよ。」「製品が良ければ売れると言うものでもないですし、それに、作るのは、私一人ですからあまりオーダーが来ても作るのが追い付きませんしね。」

W氏.「私のにも付けたいですね。」

K氏.「ネーム、もめたけど決まりましたか。」

私.「REAL50'sです。」

K氏.「イメージも分かりやすくて良いですね。」

W氏.「ところで大蔵さん、RCカーのスタビのセッティングどうしているんです。」

私.「それはやはりリリアが軟らかめです。」

K氏.「こらこら、またRCカーの方に行く。」「またこのおやじ、脱線させると収集がつかないでしょう。」

私.「おやじには協調性がないですから。」 ここからまたRCカーモードに突入してしまったので今回はこの辺で終わりにさせていただきます。

1999年3月