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K氏と私が話しをしていると何時もの様にN氏が「まいどー。」と来店される。
K氏.「どうも。」
N氏.「M君も今日は来るの。」
私.「そろそろ来ると思います。」 そこへM君が愛用の'57のLes Paul Jr.を持って来店される。「どうもお久しぶりです。」
N氏.「久しぶりだね。お! 今日は例のJr.を持って来たな。」
M君ギターをケースから出す。
N氏.「大事にしているねー。これ良かったものね。」
K氏「ギターに愛情がこもっている。」
N氏.「でもM君を"おやじ"の仲間にしちゃー 可哀想そうだよ。」
私.「M君、歳の割におやじですから。」
K氏.「そんな、大人だとか落着いているとか言わなければ。」
M君.「そうそう。」
私.「今日は、50'S大会と言う事で。」
N氏.「やー50年代のものは凄いよ。指板ひとつとってもこれだけ良いからね。」(M氏のJr.を手にして。)
K氏.「まったくね。木部はもちろんハードウエアもまるで違いますからね。」
N氏.「それこそネジまで違うからね。」
K氏.「ハードウェアは、材が良いの悪いのでは無く、音的に凄く良い。」 「アルミのテールピース1つとっても叩いてみると分かるけれどとても気持ちのよい音がする。」「適度なサスティーンとリバーブがあるしとても綺麗な澄んだ響きがする。」
私.「そうですね。」
N氏.「もちろん経年変化もあるんだろうけど 当時は、やはりどれだけ良い音を出すかを考えて作ったのだろうね。」「コスト的にも今より遥かに掛けられたしね。」
右から1960年STD/1957年
Jr/1959年STD
/1959年STD/1955年Strat
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M君.「Historicを買った時、こんなに良い音がするギターは無いと思ったんですが、Ken
Guitars にバイトに来ていた時( M氏は大学院生時代の2 年間Ken Guitarsでアルバイトしていました。)
60 年製のBurstを弾かせてもらったんですが、あまり の凄さに口が塞がらなかった。異次元のものですねオールドは。もちろんLes
Paulに限らずStratもそうですし、それで、どうしてもオールドが欲しくなってしまって。ただ、自分が買える範囲となると限られてしまう。」「買える範囲の中で色々考えて、Les
Paul Jr.を選びました。」
K氏.「その選択は、正解だと思いますよ。」「オールドのサウンドはどうやっても再現出来ませんからね。」
「まず同じ作りが出来ない、さらにハードウエアからピックアップ、樹脂パーツまで、長年そのギターに搭載されている事で全てが良い方向でレゾナンスのポイントがギターに合っている。もちろんギター本体は、ギターのサウンドとしてベストな方向に進んでいるし。」
私.「そうですね。」「Kさんが良く言うように そういった全ての鳴りがオールドギターの出音のエネルギーになっている。」「だからオールドギターはパワフルで飛びの良い音がでる。」
K氏.「そうですね。このBurst達の様なエネルギー感は他では絶対得られないでしょうね。」
私.「切りがなくなるんです。手に入れ初めると。オールドは。」
N氏.「社長は凝り性だからなー。」「付ける薬が無いからなーガハハハハハハ。」 |
K氏'55年のStratを弾きはじめる。「この55年のボディ材凄いよね。めちゃくちゃ軽いし、この硬さ、それにこの木目、もうたまりませんね。」「音もごっついなー。」
私.「この木目、正に50'SのアッシュのStratはこうだー、あるいはこうでなければー、みたいでしょ。」
M君.「確かに。」
K氏.「この頃のStratは、1弦が切れたぐらいじゃチューニングがほとんど狂わない。」
「それは、何と言っても、ネックの強度とトレモロブロックの取り付け部のボディの強度が凄いから。」「もちろん、テンションが変化するから少しは上がるんでしょうが困るほどでは無い。」
N氏.「だめなギターなんか一本切れたらお終。」 「全体に少しい上がるぐらいなら何とでも出来るけど。バラバラに狂ってしまってはどうにもなら無いからね。」
K氏55年のStratを弾きながら「ほらこんなにトレモロをかけても全然平気。」とアーミングしまくってプレイする。
N氏.「うーんずるい。」
M君.「今のものしか知らない人が聴いたら凄く驚くと思います。」
K氏.「そうね。こういう本質的に太いサウンドって今のものでは出ないでしょ。」
私.「ただ、アッシュの50'SのStratは、弾くのにかなりのパワーが必要で、それなりに鳴らすのは結構大変でしょう。Stratだと'57からのアルダ−ボディの方が、芯は少し細くなりますがウォームな感じで楽でしょう。」「50'SのFenderのアッシュボディのギターは、かなりギターが強くて負けてくれませんからね。」
「相当なパワーで弾かないと本来の能力が出ない。私みたいに手が小さいとかなり厳しい。」
K氏.「次は、'59のBurstを弾かせて」と言って弾きはじめる。「そういう意味でこれが一番、弾き手を助けてくれますね。」
N氏.「ガハハハハハハ。確かに楽なギターだよ。」
私.「まあ、出て来るサウンドは、Les
Paulは、Strat的 。Stratは、Les Paul的ですね。」
K氏.「良い音を目指して作られた2種類のギターが、それぞれ考え方も手法も違うのに、同じ様なところにサウンドがあるというのが面
白いですね。」「逆に言えば、当然の帰結なのかもしれませんね。」「もちろん、それぞれ個性的ですが。」
私.「車に例えるとStratはポルシェで、Les Paulがフェラーリという感じですね。」
K氏.「Stratの方がストイックな感じですね。」
N氏'59のBurst弾きながら「穴が無い。」
私.「こうあって欲しいと思うサウンドが思ったように出る。」
M君も59を弾き始める「本当に凄いですね。触れば音が直ぐ出る。気持ち良い音が出るなー。」
K氏.「このレスポンスの良さもオールドにかなうものは無いでしょう。」
私.「驚異的なレスポンスの良さですよね。」
M氏.「まあ凄いよ。」
M君.「これと良いアンプがあれば何でも出来ますね。」
N氏.「ガハハハハ、後は修行あるのみだ。」
M君.「後どうしてオールドギターって、みんなこんなに弾き易いんでしょう。」
N氏.「テンション感も良いし、思った通りの音が出るからそう感じるんだよ。」
私.「実際にテンションも低いですよ。」「もともとギターってAチューニングで最も良く鳴るよ
うに設計されて作られている。」
K氏.「そうは思えないギターもあるけど。」
私.「まあ、それはそれとして、Aチューニングをするのに弦の巻き数では無く、トルクが掛かり始めてすぐにチューニングが合う。」「つまり、そんなにテンションを掛けなくても合う訳です。」
「それから、オールドギターは、剛性が高いから余分なテンションが掛からない。剛性が低いと当然その部分も動くからそのテンションも加わる。」
K氏.「音にテンション感があるのと弾くテンションが高いのとは別の話ですからね。大体弾くテンションが高いギターで良い音したためしが無い。鳴らない。」
N氏.「鳴らない、のびない、弾きづらいの三重苦じゃあライブが出来ないガハハハハハ。」
K氏.「話しは変わるけど、今、凄くベースモードなんですよ。」と言いながら'66のP.Bを弾き始める。
N氏.「実は、オレは、本来はベーシストなんなんだ。」Kさんとベースセッションが始まる。
M君.「えー、Nさんてベーシストだったんですか !!。」
私.「ドラムもたたくよ。」
M君.「えードラムもやるんですかー。」
たぬき女史.「ボーカルも。」
N氏.「そう、なんでもやるの!!ガハハハハハ。」
M君.「でも、KさんもNさんも、上手いですね。何やられても。」
N氏.「器用って言えば、Kさんだよ。」「M君も修行しなきゃー。ガハハハハハ。」
私.「NさんもKさんもベースもかなりのものでしょう。」
M君.「凄い。」
N氏.「修行が違うからガハハハハハ!!。」
次回は21世紀に突入「おやじの館」です。
2000年12月
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