おやじの館アーカイブス
Vol.15 2001年4月
参加者は、お客さんのK氏、N氏、私の友人T氏と私大蔵とたぬき女史です。

K氏が、ベースを弾かれているとN氏が「どーも遅くなりました。」と来店される。

K氏.「どうも。」

N氏.「お、Tさんじゃない。」「お久しぶり。」 (T氏は私の友人です。)とそこから二人が車の話で盛り上がっていきT氏.「赤本だとどの位 の値段付いている。」

N氏.「まだ、結構値段あるよ。」とああだこうだというところに私がラジコンの話を持ち出して「いや−Nさん1/8サイズは大きいから凄い迫力ですよ。」「音もたまらない。本物みたいですよ。」「とうとう21世紀になってしまって、すっかりおやじになってしまいましたが、子供の頃、巨大な戦車の模型が、欲しーと思いつつ手の平に乗る位 の大きさプラモデルしか無く、あるいは買えずそれを作ったものです。」「それが、巨大でラジコンで動く。ついに夢がかなったみたいな感じですよ。」「けっして軍事マニアとか、戦争が好きな訳では絶対にないのですが、とにかく子供の頃、欲しかったんですよ。」「ゴジラ映画を見に行って、それに出てくる良く出来た大きめの戦車や、車や、鉄道のミニチュアを見ると欲しい−みたいな。」

T氏.「大蔵が、巨大な戦車のラジコンを走らせている姿を想像すると昔のハナ肇の映画みたいだなー。『馬鹿がタンクでやって来る』。」

私.「その映画自体好きだし、名作だけど。それって、私が、◯◯って事。」

T氏.「えっ、違うの。」

私.「Tなんか嫌いだー。」

N氏.「ガハハハハハハハ、かわいそうに。」

私.「Nさんも買いましょう。W氏にも買いましょうと誘っています。」

N氏.「いやー、今年は、車を買うつもりだからなー、予算が無い。」「それに、1/5の車の方のラジコンもやりたいしなー。」

私.「戦車も買いましょうよ。」

T氏.「ところで、その戦車いくらしたの。」

私.「00万円。」

T氏.「やっぱり◯◯だ。」

私.「やっぱりそうかなー。薄々、そんな気もしてはいたんだよ。」 と延々話しているとベースを弾き続けていたK氏が「そろそろギターの話を。」

N氏.「ガハハハハ。そうそう、今日は、ここで買ったES-335を持って来たんだ。」

私.「前にも話したんですけど最初にNさんのライブを見た時、Nさんは、ES-335を使っていたので、Nさんといえば335というイメージだったのが、何時の間にか レス・ポールなってしまった。」

N氏.「いやー本来はオレはストラトマンだ−。ガハハハハハハ。」

K氏.「ピックアップの位置が高い音。」

N氏.「ガハハハハハハハ、これで良いだよオレは。」「まあ、あまり使っていないで本格的な調整はまだだけどね。」「箱ものは、今、安いギターでごまかしてこの335は温存してあるんだよ。」

K氏.「でもPUが高い。」「そう言えば'59のクルーソンの交換用の摘みはどうなりました。」

N氏.「え、それって何?。」

私.「ほら、ここに在るオリジナルの'59レス・ポールのチューナーの摘みは縮んでしまっているでしょ。これは、保管の問題と言う訳ではなく、時間が立つどうやってもこういう風になってしまうんですよ。ひどくなるとポロッと割れて取れてしまいます。」「あと57年の3連やフェンダー用の白摘みのクルーソンもそうです。」

N氏.「その2年の物だけなの。」

私.「そうです。」

N氏.「その時だけ練り物が悪かったんだろうね。」

私.「50'Sの他の年のチューナーを探すのも大変になってしまいましたし、それから、今のクルーソンのコピーパーツに交換するとかなり音的にクオリティーが落ちますし。」「それから、オリジナルをそっくり交換するのも嫌な所があるでしょう。」「いつも、摘みだけ用意すれば音の変化を最小限に元の状態にもどせるのになーといつも考えていたんですが、そうしていたらアメリカで交換ようの摘みが流通 する様になったので早速取り寄せたんです。」「ところが色が今一つだったのでうちでオリジナルを出す事にしたんです。」「在庫は両方とも用意してあります。」「これが摘みが完全に取れてしまった'59年のクルーソンにうちの摘みを付けたもので、これが、他の年のオリジナルクルーソンです。」

N氏.「ほとんど同じだね。」

K氏.「良く似ていますね。ただオリジナルの方が若干透明度が高い気もしますね。」

N氏.「も−。マニアだな−ガハハハハハハ。」

T氏.「ハハハハハ。」

N氏.「そういえば、Tさんはフルートをやっているんだよね。」「銀とか金とかの材質が良いでしょ。」

T氏.「プラチナもありますよ。」「確かに材料による音質の違いも大きいんですが、それプラス作りに対する影響も大きいんですよ。」「たとえば、金で作る場合、材が高いからやはり腕の立つ人が作りますよね。さらに、その人が、慎重に作りますよね。だから結果 として良い楽器が出来るんですよ。」「音も良いし、腐食しないという点から金とかプラチナを高級品は使うのですが、材料が高いということは、違う面 でもクオリティー対して大きく関わるんですよ。」

K氏.「それは確かにありますね。」「話しはまた、クルーソンに戻りますが縮んでしまうのは、確かに経年変化でなるのでどうにもならないというのはそうなんですが、日本に来てからの方がよりその進行が早い様ですね。」

N氏.「湿気のせいかね。」

私.「良く使って手入れをしているとそうでもないんですが、ケースに入れて放っらかしにしていると傷みますね。」

K氏.「何でもそうですね。」

N氏.「ところで、どうやって付けるの。」ご説明する。付けたもの見て「上手くつけるものだねー。」

私.「必然的に、クリーニングしてグリスアップもしますので調子も良くなります。」

N氏.「ただ単にクリーニングするにはどうするの 。」

私.「古いクルーソンの場合、グリスが硬くなってしまっていたり、ゴミが詰まってしまっていたりしますので、慎重にギターから取り外してクリーナーで洗います。クリーナーは、楽器関係でしたら接点復活剤とか、バイク、車関係にも趣味がある方でしたら ワークスのブレーキホースクリーナーでも大丈夫です。ただ、樹脂摘みのものは、精神衛生上も樹脂部分にはクリーナーが付かないようにします。」「クリーナーで完全に中のグリスやゴミを取り除いたら、模型店や文具店で手に入る接着剤の充填用注射器の小さいもので、チューナー本体の裏にある小さな穴からグリスをペグを回しながら充填します。」「この時充填し過ぎない様に注意します。グリスを充填してからは、回してみてもしグリスがはみ出したて来たらクリーナーを布に付けて根気よく拭き取ります。」

N氏.「 グリスは何を使うの。」

私.「簡単に手に入るとなると模型店やラジコン店で売っている、田宮模型のRCカー用の接点グリスという商品になります。」

T氏.「ハハハハ、大変そうだ人に任せたいね。」

私.「話しは変わりますが、Nさんうちの10周年記念モデルのゼブラウッドテレキャスターを弾いてみませんか。」「げー、テレキャスターは苦手じゃー。」と言いつつ弾きはじめる。

N氏.「これは良い。」

K氏.「良いでしょう。」「99年の夏頃、大蔵さんが、『来年10周年なんでギブソンとフェンダーにスペシャルモデルをオーダーしようと思っているんですが、フェンダーに何をオーダーしようかと迷っているんです。』と相談されたんですよ。」「それで、レアウッドのものが良いじゃないかと言ったんですよ。」


私.「それで、レアウッドで過去にほとんど作られていないものを考えたらゼブラウッドのテレキャスターに行き当たったです。」

K氏.「ゼブラウッドテレキャスターは、60年代の終わりに1本だけプロトタイプが作られただけのはずですからこれが良いと薦めたんですよ。」「それに大蔵さんはテリー好きだし。」

私.「ただ、今まで現物を触った事が無いでしょう。写真しか見た事ない。だからどんな音が出るのかわからない。」

K氏.「私も写真で見た事あるだけでさわった事は無いですから。」

私.「Kさんが『ルックス重視と言う事で』と言われたので、もちろん私も凄くルックスが気にいっていたのでゼブラウッドテレキャスターに決めたんです。」

K氏.「それに、どんな音が出るのだろうという興味もありましたしね。」

私.「大分時間が掛かりましたが、やっと出来てきてケースを開けた時はドキドキしましたよ。」「手にしてみて最初に思ったのは、想像していたより重くないなという事でした。」「ボディはソリッドでしょう。間にマホガニーを挟んであるとはいえゼブラウッドですし、ネックはローズのワンピースネックだし相当重いのではないかと思っていたんですよ。」

K氏.「私も手にしてみて、同じ感想を持ちましたね。」

私.「それで弾いてみたら凄く音がウォームで、上品で、リバーブ感やサスティーンも絶妙な感じでオールドのよう音が出る。」

K氏.「高級感のあるサウンドですよね。」「嫌な音が全然しない。」「それに、確かにオールドの様である事はそうなんですが、オールドには無い部分もある様に感じられますね。」「この独特の音の余韻なんかが。」「複合材で作られた事が、全て良い方向に働いているという感じですね。」

私.「良い組み合わせで作られたギター、うまくいった複合材のギターというのは言葉は良くありませんが七難隠す的な所がありますからね。一番の代表が、レス・ポールスタンダード。」

K氏.「確かにそういう面がありますね。そういう意味で、サウンドも含めてこのゼブラウッドテレキャスターはレス・ポール的でもありますね。」

私.「レス・ポールと言えば、2001年モデルのヒストリックが来ました。ついにアルミのテールピースを搭載しました。」「それ以外もネックバインディングもオールドと同じ様に薄くなりましたしドットもオールドスタイルになりました。」

N氏.「長く待たされたねー。ガハハハハハ。」「アルミじゃないとせっかくのギターの能力を押さえちゃうからね。」

K氏.Gibsonのアルミテールピースを手に「うーん形がオリジナルに比べてもう1つですね。それに、少し重い。」

N氏.「ガハハハハハ、音が良ければ良いじゃない。」

K氏.「形も、重さも音に影響しますから。」

N氏.「うーんマニアだ。」

私.「確かに音に影響しますからね。今度ギブソンのアルミテールピースがパーツとして入荷して来たらここにある試奏用のヒストリックに取り付けて他の物と比較してみましょう。」

K氏.「でもずーと言い続けてきましたが、まあアルミになったことは嬉しい事ですね。」「ただもう少し形がね。」

N氏.「ガハハハハハハ。」

私.「それから'59は全てオールドスタイルのブラウンケースが付きます。」

K氏.「前は、愛用者カードを返送すると送ってくるシステムでしたよね。」「私、99買ったんですが来るまで散々待たされました。」

私.「でも結果ブラックのケースと2個付なんですからいいじゃないですか。」

N氏.「何時も言うけれど良い時代になったね。」「オールドの'59からヒストリックまであるんだからね。」「昔は欲しくても無かったからね。」「それに、ギタークオリティも今は上がったもの、だから安いギターだってかなりの物だし。」

私.「そうですね。」「大体買えなかったし。」「私が、一番最初に買ったレス・ポールのコピーモデルなんか中、空洞でしたからね。」「ひどい音でねー。」

N氏.「ガハハハハハハ。何時もその話しているけどよっぽど恨めしいんだね。」

私.「必死で溜めた3万円強のお金でかったのに( 国鉄の乗車券が、初乗り15円で、バイトの時給が、200円台の頃。)、ろくな音がしない。その頃聞いていたレコードの様な音が欲しくて、きっとエフェクターを買えばそういう音が出るかもなんて考えて。」

N氏.「ガハハハハハ、そうそう。それで、オレも買ったのよ。エフェクターを。」「誰々がマエストロを使っているとか、誰々が何を使っているとか雑誌では見たけど楽器屋に行っても無かったり凄く高かったりしてさー。」

私.「本質的にギターのクオリティーの高さや、アンプのクオリティーの高さがあってからの話しなんですが、当時は買えなかったし、分からない事も多かったから。」「いくらエフェクターを使ったってどうにもならないのですが。」

N氏.「ここにあるオールドの'59のレス・ポールをこの辺のアンプに入れてやれば何の文句もない。」「後は修行あるのみだガハハハハハハ。」

K氏.「良いギターは、本来のプレーヤーのテクニックやスキル以上のものまで引き出してくれますからね。」「特に、この辺りのレス・ポールは。」「こういった良いギターをみるといつも思う事は、良いオーナーが見つかると良いなと言う事ですね。」

私.「いや本当にそうですね。」「プライベートで購入するものも含め、オールドは特にそうなんですけど。今までどうしてたの、私の所に来たんだからもう安心、可愛がってあげるからなんて思ってしまいますね。」

K氏.「その顔で、大蔵さんにそんな事言われたらギターが気持ち悪がります。」

N氏.「ガハハハハハハ、顔が恐いからなー。」

私.「ぐれてやる。」

K氏.「すでに大分ぐれていますよね。」

私.「・・・・・・・。」

N氏.「ガハハハハハハ。」 「話しは戻るけどこうやって良い物がいっぱいあって触れられて。昔は、少しあってもショーケースの中で触れられもしなかったからね。良い時代になったよ。」「だからこそ 良くギターを比較してから購入しないとね。」「アンプも繋がないでエレキギターを試奏している人見かけるけど良くわからないよねアンプとセットで1つの楽器になるのに。」

K氏.「私は違う意見です。」「生音でも充分にエレクトリ ックギターの本質的な音色は判るでしょう。」

私.「それは確かにある程度は分かりますが、エレキはアンプから音を出して始めて完結するのですから、車買ってシートに座って走らないでいる様なものでしょー。」

N氏.「そーだよアンプに繋がないと。」

私.「繋いだとしても蚊の泣くよう音では、12インチスピーカーが付いている真空管アンプなんか本来の音がしない。昔のスポーツカーをアイドリングでずーっと走らせているようなものですから。」「本来の能力のでる範囲というものがありますから。」

K氏.「それは分かりますが、生音で充分わかると思います。」

N氏.「Kさんは、沢山経験して確りとしたものを持っているからわかるんだと思うよ。」「とても高い所での話しなんだよ。」

私.「ただ、どんなに生音で良いといってもエレクトリックのパーツの部分もある訳でアンプに繋がなければ全ては分からない。」

K氏.「エレクトリックギターは、アンプの使用を前提としているのですからそれは判ります。」「しかし、個々のギターが個々の弾き手にとって、最良の物か判断する上で生音は重要なポイントだと私は思います。」「それは、ピックアップの様なトランスデューサーの質云々という事ではない、私は、あくまでも本体から出ない音は出ないということ言っている訳です。」

私.「もちろんそうです。出てない音はアンプに繋いでもでませんから。」

N氏. 「まあ、弾けば判るさ。」「人によってアプローチがちがってもさ。」

たぬき女史「Nさんは大人ですね。」

N氏.「ガハハハハハハハ。」

T氏. 「それにしても皆マニアだなー。」

私.「そのマニアてのはやめてよ。」

たぬき女史「いいえ。マニアです。」

ここからまた、話しが脱線してしまったのでこの辺で「おやじの館」Vol.15を終わります。

2001年4月