昨年の秋、モリダイラ楽器とモ−リス工場さんのご好意で、何時ものおやじ達とバイトの中野、たぬ
き女史とモリダイラ楽器のS氏とで 松本のモ−リスの工場へ見学に行きました。
中々、ギターの製造現場を見る機会が少ないので、みんな盛り上がって新宿駅に集合しました。
N氏は、完成したモ−リスギターを試奏できると聞いて、比較用にご自分のマーチィンHD-28 ('83製のBrazillian
Rose Back Sideのもの) を持参して待っていました。
私は、駅弁を選ぶのに夢中でしばらく気が付かず「あ、Nさんだ。」
N氏.「1番先に来てしまったよ。」そこへK氏、モリダイラ楽器S氏が来られ、中野さんも来ました。
スーパーあずさに乗り込み出発です。
早速、私は、駅弁で朝食です。中野が「どこで売っていました。」と言うので「ホームでもどこでも売っていたよ。」
中野さん.「全然気が付かなかった。」と悔しそう。
ああだこうだと話しているうちにもう八王子。
K氏はS氏を相手にずーっとギターの話をしています。
気が付けば松本到着。
列車を降りるとひんやりとした空気が美味しいです。
東京から出ると空気が、美味しいと感じる事が多いです。 駅の外では、今日モ−リス工場を案内して頂くS本氏が車で出迎えに来て頂いていました。
S本氏は、中野さんとたぬき女史が、見学一行のメンバーだとは一瞬思わなかったようで、中野さん(
彼女は、当時大学生でした。)が言っていた「どういうグループだと知らない人から見えるのかな−。」が当ったようです。
車でモ−リス工場に到着。

モ−リス工場入り口です。
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工場をバックに。
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モ−リス工場の事務所に通
されて、社長の皆川氏( 当時、社長されていた方です。 )からモ−リス工場や、長野や松本地域のギター製造の歴史をお伺いしました。
皆川氏.「私は、山野楽器にいまして、ちょうど昭和40年頃ですか、カントリーウエスタンで使うギターというとナルダンとかしかなくてですね、その頃は、カントリーウエスタンが盛んでしたし、当時、山野に出入りしていたプレーヤーやマニアの方々(かなり著明な方々のお名前でした。)もカントリーウエスタンの方が多くいらっしゃって、そんな中からカントリーウエスタン、そして、それに使えるアコースティックギターに感心をもつようになりまして。」
当時「KW楽器で、マスターというギターを販売していて私は感心を持っていましたが、KW楽器さんの専売でしたので山野では扱えなかったのです。」「そこで、基本設計など色々話し合って、KWさんに負けないものを作ろうという事がモ−リスの始りです。」「それが昭和42年でして、それからずーっとですね。」「なぜ松本に工場を作ったかというと気候が安定しているのと、新潟からは北方材、名古屋からは南方材と材の入り安い地域であったのと歴史的に木工技術が、かなりある地域であるということです。」
「そして、エレキブームが訪れて松木やフジゲンなどの工場が、沢山松本地域にできたんですね。」
「また、諏訪にも下請けも入れて、最盛期に多くの工場、会社がありました。」「しかし、ギターの需要の減少や、コストの安さから海外生産も増えまして、工場はだんだん減りました。」「私どもは、そうした流れの中、アコースティックギターとしてはそこそこ成功していると思っています。」「ギターブームが来ると忙しい、去ると暇、という事をくり返して来ましたが、その中で、とにかく良いギターを作っていこうという雰囲気でやっています。」「そして、長い間愛用して頂けるギターを作っています。」「また、私どもの工場をより多くの人にご見学頂きたいと思っています。」
社長皆川氏のお話を色々聞かせて頂いた後、工場見学が始りました。 S本さんがまず木材が大量
にストックされている場所に案内して下さいました。
そこでKさん大興奮。私も決して嫌いではないのて興奮。色々な材、加工途中の材が大量
にシーズニング中!!
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大量
の材。
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ネックジョイントのブロック用材。
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ソリッドボディの山。
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半加工されたアコギのボディの山。
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板に当てると板の水分がわかる計器。
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材、材、材。
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ブレーシングが張られたトップ材
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成形されたサイド
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とにかく材、材の山にK氏大興奮。私も決して嫌いではないので大喜び。
K氏がS本氏にこれあれでしょ、これは何ですかと色々と質問していました。
S本氏.「入荷して直ぐにギターを作れる(シーズニングが必要なため。)訳ではないので毎月必ず材の入荷があります。」「そうでないと先に行った時にギターが作れないという期間ができてしまいますから。」
そこでK氏があるネックの山を発見。「これ凄く良さそう。欲しいーなー。」
S本氏が「これは今は生産をやめたギターのネックですね。かなり長くここにあります。」
私.「それならください。」と言うとSさんが「そんなー。」
なんだかんだとしているうちにもうお昼。
S本氏が「材のところでこんなに時間の掛かった見学者は初めてです。」と言われていました。
おやじ達はコアなのです。
お昼はS本氏行き着けのそば屋さんの「百瀬」に案内されました。木の香りがするとても雰囲気のあるお店でおそばや天ぷらやお新香をごちそうになりました。どれもとても美味しかったのですがお新香が特に印象的でした。
食べるのに夢中で写真を撮るのを忘れてしまって。後で、中野さんやたぬき女史に「写真撮ったよね。」と聞くと2人とも首を横に振るばかり。みんな食い意地が張っているんだから。
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ボディの型です。
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熱を加えてボディサイドを成形しているところです。
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接着のためのニカワ。
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ニカワを塗りクリップで固定して行きます。
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午後の見学開始です。 モ−リスでは、接着にニカワを使っています。ニカワは音に、また構造物としてのギターの両面
に非常に良いものでです。
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ブレーシングを張り終わったトップ材が置かれて行きます。
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ブレーシングを張る作業をしているところです。
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こちらは加工途中のネック材です。
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だいぶ形になったネック。
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ギターの形になって来ました。 これから塗装されます。
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台形に削られたボディとネックがはめ込まれます。
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ネックのセットです。
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もちろんK氏のこと穴のあく程チェック。
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塗られて乾燥中のギター。
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塗装されたギターを磨いているところです。
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フレットが凄い速さと正確さで打たれていきます。
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こちらはブリッジを接着しているところ。
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こうして作られたギターは、弦を張られ検品されて箱詰されていきます。実に多くの工程を多くの人の手によって行われていることを見て、あらためて感動するのとギターは可愛がってあげなければと思います。
最後の見学は手工品を手掛ける横山氏のところです。
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ご自身で選ばれた材を見せて頂きました。
横山氏の裏には製作途中のギターが色々あります。
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ハカランダ指板の色々。
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製作中のギターを手に取る横山氏。
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ちょうど見学にお伺いしたのが楽器フェアの直前でしたのでフェアに出品するギターを作られていました。長年ギターを製作されている横山氏の製作される手工ギターはフィンガーピッキングシリーズをはじめ海外でも評判だそうです。
当然Kさんは、じっくりと材を観察していました。(匂いまで確認していました。)
この後、最終検査をしているところを見学してモ−リス工場の見学が終わりました。
そして、始めに社長の皆川氏からお話を聞かせて頂いた事務所にもどり、横山さんが製作された手工ギターやモ−リスのギターの試奏が始りました。
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ハカランダバックサイドの手工ギターです。
バインディングにコアウッドを使用しています。
作り材共に高級感溢れるギターです。
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モ−リスのコアウッドを使用したギターと
シングルカッターウエイを持つギターです。
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N氏.「今日は比較のためにオレのギターを持ってきたんだよ。」
私.「MartinのHD-28ですね。ハカランダの。」
N氏.「そう。」「早速この手工のドレットノートから弾かせて下さい。」
K氏はコアウッドのギターを手に取って見ています。
N氏手工のギターを弾きながら「うーんとってもバランスの良い鳴りだね。」「とても綺麗なサウンドだね。繊細だし。」
ご自分のマーチンと比べて「オレのマーチンの方がガンと鳴る感じだね。」
中野.「手工の方は、ほんとに優しくて綺麗なサウンドですね。」
私.「Nさんのギターは、長い間、弾き込んでいるということも影響してますが、キャラクター的にマーチンの方がごつい感じですね。」
「それから手工の方も後20年間弾き込むとどういう鳴りになるかとても楽しみですね。」
N氏.「そうだね。」
たぬき女史.「キャラクター的にマーチンは、男性的。手工は 、女性的な感じですね。」
私.「手工は、バランスも良いし、繊細でとにかく綺麗に鳴りますね。この優しい感じはなかなかないでしょう。」
K氏.「緻密な鳴りっぷりです。」
K氏はコアウッドのギターを手に取り弾き始めてとても気に入った様子。「これは価格は幾らなんですか。」
S本氏.「買価で\180,000のものです。」
K氏.「このギターはコアウッドらしい粒立ちの良さを持ちながらやはり繊細で綺麗なサウンドですね。」「とても気に入ってしまいましたね。」
この後、K、N両氏は、ギターを換えながら試奏を続けられました。
私がS本氏とS氏とオリジナルオーダーギターの話しをしていると永山氏が「そんなに色々注文して、安く作れって、責めちゃかわいそうだよガハハハハ。」
K氏.「そのギター何時頃できるんですか。」
S本氏.「来年の2月頃には完成する予定です。」
そうこうしているうちに、すっかり時間が過ぎてしまい、帰りに乗るはずの 「あずさ」の時間が過ぎてしまい、S本氏に次の列車の時間を調べて頂くことになってしまいました。
次ぎの「あずさ」に乗る事が決まり、まだ時間があるとN氏がギターの試奏を続け「うーん。おやじ達にギターを渡してはいけないと思いました。」
私以外は、皆さんギター工場の見学は初めてだったのですが、皆さん(私も)とても興味深く楽しく見学できました。大変お世話になったS本氏 、S氏、皆川氏、モーリス工場の皆様ありがとうございました。
さて、帰りの「あずさ」ではさすがに疲れたのか、静かだったN氏が八王子あたりで復活!!!S氏を相手にアンプの話をずーっとしていました。
うーんパワフルだ。S氏も大変。
2002年4月
この時、オーダーしたオリジナルギターが、NYスタイルのギターM016です。
次の写真のものです。( 完売してしまいました。)
ウェバリーチューナー搭載。
ハカランダ指板使用。
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クオリティの高いマホガニーを使用したバック、サイド。
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