Vintage Guitar Room
Vol.4
1958
Fender
Stratocaster

Stratocaster 1958年製

テレキャスターに続き1954に登場したのがストラトキャスターです。テレキャスター(ブロードキャスター)は、史上初のソリッドボディの量 産ギターでありながら素晴らしい完成度を持っていて、人間工学的にも実に素晴らしいバランスをもつものでした。(座って膝の上で弾いても、ストラップに吊るしてもベストバランスで自然と弾き易い位 置にギターがきます。)
そのテレキャスターをさらに弾き易く、また、トレモロを搭載し、ピックアップを3ピックアップとしてサウンドのバリエーションを広げたのがストラトキャスターです。
それは、今考えると簡単なようですが、テレキャスターと同じく幾つもの史上初の画期的、革命的な機構、形状でした。
まずボディ形状に関して言えばテレキャスターがマーチンのドレットノートのデザインをもとにカッターウエイを付けたものでしが、ストラトはさらに史上初のダブルカッターウエイ形状としハイポジションのプレイアビリティーを向上させました。さらに、ボディにこれも史上初のコンタート加工を施しました。
トレモロについては、ブリッジがそのまま動くという画期的なもので今だに大半のトレモロシステムはフェンダーの亜流に過ぎません。フェンダーのストラトスタイルのトレモロ以外のトレモロは、トレモロ部とブリッジ部が別 れていることによりブリッジの上を弦が滑らなくてはいけない構造の為 (テンションを得る為、他の部分の接触面 も弦が滑らなくてはいけない物もあります。)チューニングが狂い易いのに比べてフェンダーはトレモロとブリッジが一体化しているので弦がブリッジの上を滑る必要が無く圧倒的にチューニングに対して有利ですし、その構造上深くトレモロが掛けられます。またテンションは、ロングサスティーンを得る為に取り付けられたトレモロブロックの裏から通 す事で得ています。
話が前後してしまいますが、トレモロブロックはサスティーンを得る為に取り付けられとされていますが、それだけでは無くあの質量 と強度(硬質な鉄)が安定したチューニングと操作感に大きく貢献しています。(後にフェンダー自身が当時の音楽シーンによりブリッジとトレモロを分離したタイプを発売することになるのですがそれは、またそれを搭載したギターをビンテージルームに入れる時にとトレモロ特集をやりますのでその時に詳しく載せます。) さらに、トレモロを取り付けているボディ材の強度とネックの強度も大きな要素です。
良く調整された50'sのストラトは、トレモロを使用しても実に安定しています。
多くのコピーモデルなど全てにおいて質が低下した材を使ったギターのトレモロが安定しないのは当然で、手にする度に50'Sのストラトの素晴らしさを感じます。
それから、ピックアップを3つ搭載したのも画期的で、サウンドのバリエーションが劇的に広がりました。何ごともそうですが、始めて考えて造り出すのは大変なことです。しかも、今だにそれが一線で最も使える部類の物であり、多くの亜流のものを生みだしているのですから凄いの一言です。


Stratそのもの話しが長くなってきてしまいましたが本題の1958年製のストラトキャスターに付いて話しを始めましょう。
フェンダーのギターのボディ材は、アッシュ材を使用していたのですが、1957年からストラトのサンバースト仕上げのものやミュージックマスターなどのモデルにアルダ−を使用し始めるます。当時の事を書いた本などによると、「良質のアッシュ材の入手がコスト面 を含めて難しくなた為。」と書かれていましたが、理由はともかくアルダー材の使用が音には大きな変化をもたらしました。(レオ・フェンダーは、かなりアッシュ材にこだわっていたそうです。)
アッシュ材のものは、かなりごつくて太いく素晴らしくレスポンスが速い音を出しますが、反面 弾くには、我々日本人の平均的な力ではかなり大変でそうとう気合いを入れて弾かないと本来の能力を出してくれないところがあります。とこが、'57年からのアルダー材のものは、本質的な音の太さはアッシュ材に譲るもののそのウォームなサウンドはかなりプレーヤーを助けてくれます。アッシュ材は男性的でアルダー材は女性的ともいえます。個人的には、アッシュのごつい音がとても好きです。 1957年製のストラトは、よく言われる様にV形のネック断面形状をもったものが多く、ものによってはほとんど三角のものもあります。この形状は、ネックを掴むようにして親指で6から4弦あたりまで押さえる様にして弾くのにはとても有利な形状といえます。どうして変更したかは分かりませんが1958年からはU形に近いネック断面 形状になります。手の比較的小さい我々日本人にはこのタイプの方が弾き易いと感じる方も多いかも知れません。また、外見では'58年より3トーンサンバーストになります。塗装は'57よりさらに薄い感じでバックルなどによる塗装の傷が付き易いといえます。

クルーソンのチューナーは、シングルラインでKluson Deluxeと刻印されたものです。
ボディのコンタート加工のラインは'57のものと少し違います。'57もそうですが、基本的にはボディは2ピースのアルダーです。
サウンドに関して言えば今のものとは異次元のものです。弾くとそのサウンドは感動的です。

 
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